
2007年11月17日
「マツリ」が終わりましたね…
「ブラジルに敗れ史上最低の7位 バレーW杯女子」(iza!)
バレーボールのワールドカップ(W杯)女子大会最終日は16日、名古屋市ガイシプラザなどで行われ、日本はブラジルに1-3で敗れて通算6勝5敗となり、1991年大会に並ぶ史上最低の7位に沈んだ。
欧州選手権覇者のイタリアが米国に快勝し、11戦全勝で初優勝した。ともに9勝2敗のブラジルと米国は得点率により、ブラジルが2位、米国が3位となった。この3チームが前日北京五輪出場権を獲得した。
日本は第2セットを多治見(パイオニア)の奮闘などで取り返したが、地力で勝るブラジルの多彩な攻撃と好サーブに押し切られた。
男子大会は18日に始まる。
祭が終わると何となく物悲しい気分にさせられる。まさに故松田優作の「お祭りのうた」の世界だ。
『まつりうた』松田優作 vap
白うさぎがバレーボールの面白さに目覚めた’85ワールドカップ。
それ以降行く度か会場へ足を運び必死で応援し続けた全日本。
体格のハンデをものともせず、世界の強豪チームに挑んでははね返され、今度こそと思えば裏切られ…結局いつも最後には祭りの終わりのような何とも言えないもの悲しい、寂しい気持ちにさせられた。
しかし今回はそんなセンチな気分も吹っ飛んだ。
柳本監督!
あなたは「金メダルを狙う!最低でも銅!」と大会前に確かにおっしゃった。
それが史上最低の7位である。この「落とし前をどうつけるの?」
「7位という順位は、不本意」柳本監督(スポーツナビ)
「7位という順位は、不本意なところに位置してしまったと思っている。厳しく跳ね返される部分、やってきたことが通じたということがはっきり分かった大会だった。最終予選まで残された時間は短いが、今大会で学んだことを整理して、リセットしてやり直していきたい。
去年は「アンダー2」をテーマに挙げたが、跳ね返されたのはまさにそこではないか。点数や数字に出ないつなぎの部分で、きちっとしたものができていない。つなぎがうまくいったときは、今日の2セット目のようにいい形でリズムが回っていると思う。相手にとって「決まった」と思っても粘られることで、精神的にプレッシャーがかかり、結果としてアウトボールになる。こういうバレーができているときは日本のバレーができているときと言えるのではないか。もう少し試合巧者になるべきだと感じた。
1枚上のチームはサイドでしっかり決めてくる。今日の1、2セットもサイドの効果率はゼロに近かった。さまざまな戦法を考えてはいたが、実行しようとするとチームのリズムが良くなって、なかなか切り出せなくなってしまった。今後を考えたときは、ほかのメンバー選考も含め反省点の一つに挙げられると思う。
パワーアップなど、身体面の強化も必要だが、期間的な問題がありなかなか難しい。そのなかで、いかに効果的なトレーニングをしていくかが、今後の課題になる。今年1年を通して、栗原はよくやってくれた。成長しただけに、チームが求めているものも、自身が求めるものももう一つ上の段階に入ったのではないか。高いブロッカーと対峙したケースなども含め、彼女だけに責任を負わすのではなく、リバウンドを取る技術や、切り返しを上げることなど、つなぎのあるバレーを徹底していけば栗原のパフォーマンスも高まるのではないか。今回はよくやってくれたと評価している。
チームとしての課題は、技術的にはブロック。止めるだけではなく、ワンタッチをもらうことも重要だと思う。サーブは効果を上げているが、サーブカットを崩したところでほとんど点が取れていないことが大きなポイント。サーブレシーブからのコンビバレーもある程度の形が必要だが、得点力を上げるためには、サーブから崩したところをいかに点数につなげるか。今日のブラジルも、崩していても空いたところでコーナーに打ってきたり、コートいっぱいを使う技術を持っている。考え方を変えることも含め、個人的な技術のレベルアップにトライすべきではないか」
まるで評論家のようなコメントだが、昨日今日召集したメンバーでもなし、むしろメンバーはガッチガチに固定して、しかもワールドグランプリはじめ様々な国際大会をこなしてきた上で、このコメントはどうよ!
つなぎが悪いならつなぎの練習したらいい、ブロックもシャットはあきらめてしつこくワンタッチを取りにいきゃあいい。前時代的なワンマンレシーブをするよりよっぽど効果的だ。
タイムアウトの場面を何度か見たけど、具体的な指示なんかほとんど聞かなかった。「よっしゃ、よっしゃ、このまま行こう」「ええか、攻めるぞ」etc…。
「最大集中!」って叫んでた監督もいたが、大会が終わってこれだけのことを言うなら、なぜ試合中に修正できないのか?
しかし、こんなんでも来年の北京オリンピックまでは監督の地位は安泰だ。
この監督はアテネオリンピックの最終予選までがピークで、その後は全くの尻すぼみ。
確かに「メグ・カナ」二人の故障離脱や、前代未聞のデキ結婚で引退した選手のスキャンダルなど不運な面もあったにしろ、アテネまではメンバーも固定せず、競争意識をあおりながらいい緊張感でやっていたのに、アテネ後は一部の選手に固執した起用を続けている。多分来年行われる最終予選で北京オリンピックの出場権は獲得できるだろう…「出来レース」だから。
しかし、出場するだけのオリンピックで惨敗する姿など見たくない。
かたや男子大会もすぐ後に控えているが、こちらはオリンピック出場なんて夢のまた夢だ。そのくらい厳しいのだ。しかし、植田監督になってから選手はひたむきにボールを追いかけ、少なくともチームの目指すもの、意思が目に見えてわかる。こういうチームはまだ応援しがいがある。
全日本女子チームは男子に比べると世界の頂点に近い所にいる、それなのにいつも消化不良のゲームを見せられるのが歯がゆくて仕方がない。「試合巧者」という言葉を監督もつかっているが、まさにこの一言に尽きるのではないか?
バレーボールのワールドカップ(W杯)女子大会最終日は16日、名古屋市ガイシプラザなどで行われ、日本はブラジルに1-3で敗れて通算6勝5敗となり、1991年大会に並ぶ史上最低の7位に沈んだ。
欧州選手権覇者のイタリアが米国に快勝し、11戦全勝で初優勝した。ともに9勝2敗のブラジルと米国は得点率により、ブラジルが2位、米国が3位となった。この3チームが前日北京五輪出場権を獲得した。
日本は第2セットを多治見(パイオニア)の奮闘などで取り返したが、地力で勝るブラジルの多彩な攻撃と好サーブに押し切られた。
男子大会は18日に始まる。
祭が終わると何となく物悲しい気分にさせられる。まさに故松田優作の「お祭りのうた」の世界だ。

白うさぎがバレーボールの面白さに目覚めた’85ワールドカップ。
それ以降行く度か会場へ足を運び必死で応援し続けた全日本。
体格のハンデをものともせず、世界の強豪チームに挑んでははね返され、今度こそと思えば裏切られ…結局いつも最後には祭りの終わりのような何とも言えないもの悲しい、寂しい気持ちにさせられた。
しかし今回はそんなセンチな気分も吹っ飛んだ。
柳本監督!
あなたは「金メダルを狙う!最低でも銅!」と大会前に確かにおっしゃった。
それが史上最低の7位である。この「落とし前をどうつけるの?」
「7位という順位は、不本意」柳本監督(スポーツナビ)
「7位という順位は、不本意なところに位置してしまったと思っている。厳しく跳ね返される部分、やってきたことが通じたということがはっきり分かった大会だった。最終予選まで残された時間は短いが、今大会で学んだことを整理して、リセットしてやり直していきたい。
去年は「アンダー2」をテーマに挙げたが、跳ね返されたのはまさにそこではないか。点数や数字に出ないつなぎの部分で、きちっとしたものができていない。つなぎがうまくいったときは、今日の2セット目のようにいい形でリズムが回っていると思う。相手にとって「決まった」と思っても粘られることで、精神的にプレッシャーがかかり、結果としてアウトボールになる。こういうバレーができているときは日本のバレーができているときと言えるのではないか。もう少し試合巧者になるべきだと感じた。
1枚上のチームはサイドでしっかり決めてくる。今日の1、2セットもサイドの効果率はゼロに近かった。さまざまな戦法を考えてはいたが、実行しようとするとチームのリズムが良くなって、なかなか切り出せなくなってしまった。今後を考えたときは、ほかのメンバー選考も含め反省点の一つに挙げられると思う。
パワーアップなど、身体面の強化も必要だが、期間的な問題がありなかなか難しい。そのなかで、いかに効果的なトレーニングをしていくかが、今後の課題になる。今年1年を通して、栗原はよくやってくれた。成長しただけに、チームが求めているものも、自身が求めるものももう一つ上の段階に入ったのではないか。高いブロッカーと対峙したケースなども含め、彼女だけに責任を負わすのではなく、リバウンドを取る技術や、切り返しを上げることなど、つなぎのあるバレーを徹底していけば栗原のパフォーマンスも高まるのではないか。今回はよくやってくれたと評価している。
チームとしての課題は、技術的にはブロック。止めるだけではなく、ワンタッチをもらうことも重要だと思う。サーブは効果を上げているが、サーブカットを崩したところでほとんど点が取れていないことが大きなポイント。サーブレシーブからのコンビバレーもある程度の形が必要だが、得点力を上げるためには、サーブから崩したところをいかに点数につなげるか。今日のブラジルも、崩していても空いたところでコーナーに打ってきたり、コートいっぱいを使う技術を持っている。考え方を変えることも含め、個人的な技術のレベルアップにトライすべきではないか」
まるで評論家のようなコメントだが、昨日今日召集したメンバーでもなし、むしろメンバーはガッチガチに固定して、しかもワールドグランプリはじめ様々な国際大会をこなしてきた上で、このコメントはどうよ!
つなぎが悪いならつなぎの練習したらいい、ブロックもシャットはあきらめてしつこくワンタッチを取りにいきゃあいい。前時代的なワンマンレシーブをするよりよっぽど効果的だ。
タイムアウトの場面を何度か見たけど、具体的な指示なんかほとんど聞かなかった。「よっしゃ、よっしゃ、このまま行こう」「ええか、攻めるぞ」etc…。
「最大集中!」って叫んでた監督もいたが、大会が終わってこれだけのことを言うなら、なぜ試合中に修正できないのか?
しかし、こんなんでも来年の北京オリンピックまでは監督の地位は安泰だ。
この監督はアテネオリンピックの最終予選までがピークで、その後は全くの尻すぼみ。
確かに「メグ・カナ」二人の故障離脱や、前代未聞のデキ結婚で引退した選手のスキャンダルなど不運な面もあったにしろ、アテネまではメンバーも固定せず、競争意識をあおりながらいい緊張感でやっていたのに、アテネ後は一部の選手に固執した起用を続けている。多分来年行われる最終予選で北京オリンピックの出場権は獲得できるだろう…「出来レース」だから。
しかし、出場するだけのオリンピックで惨敗する姿など見たくない。
かたや男子大会もすぐ後に控えているが、こちらはオリンピック出場なんて夢のまた夢だ。そのくらい厳しいのだ。しかし、植田監督になってから選手はひたむきにボールを追いかけ、少なくともチームの目指すもの、意思が目に見えてわかる。こういうチームはまだ応援しがいがある。
全日本女子チームは男子に比べると世界の頂点に近い所にいる、それなのにいつも消化不良のゲームを見せられるのが歯がゆくて仕方がない。「試合巧者」という言葉を監督もつかっているが、まさにこの一言に尽きるのではないか?
2007年11月05日
早くも1敗目…
昨日のバレーボールワールドカップ女子のセルビア戦のことだ。
白うさぎもチビうさ達のめんどうを見ながらTV観戦。最後はお風呂に入れていて勝敗まではわからなかった。ただ「中継録画」で放送されているだけに、放送時間の残り時間から計算すると、「あ、負けたなこれは…」とは思っていたのだが…。
「女子バレーW杯 日本、今大会初黒星 セルビアに逆転負け」「毎日新聞」
バレーボールのワールドカップ(W杯)女子大会第3日は、東京体育館と浜松アリーナで6試合を行い、日本は1-3でセルビアに敗れて今大会初黒星を喫した。日本は、第2セットまでを連取されたが、荒木(東レ)の活躍や粘り強いレシーブで第3セットを奪った。第4セットもリードを保っていたが、セルビアの厳しい追い上げを食い止められず、逆転負け。セルビアは、セルビア・モンテネグロとして出場した昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した強豪で、長身を生かしたスパイクとブロックで日本を圧倒した。
昨年の世界選手権準優勝のブラジルは、3-2でアテネ五輪銅メダルのキューバを退けて3連勝。韓国は、イタリアに敗れて3連敗。ドミニカ共和国が、フルセットの末にタイを降して今大会初勝利を挙げた。
◇日本、痛恨の黒星…善戦も自力の差で
逆転勝利への筋書きは、スタンドを埋めた1万人の悲鳴とともに泡と化した。日本は攻勢に転じていた第4セット、最大7点差をつけながらもひっくり返され、惜しい星を落とした。
セルビア・モンテネグロとして出場した昨年の世界選手権で銅メダルをつかんだ強敵。190センチ台が3人居並ぶ先発7人(リベロを含む)の平均身長は日本を10センチ上回る。その高さに苦しみ、再三、壁にはね返され、簡単に2セット先取された。
だが、世界選手権で日本は同じく2セット先取されながらフルセットに持ち込み、逆転勝ちしている。その再現に向け、3セット目途中で右肩痛から復帰した大山を投入し、声援を味方に流れを呼び込んだのは柳本監督の選手起用の妙。マークの集まる栗原から荒木、杉山のセンターに攻撃の軸を移したのも奏功し、逆転のおぜん立てはした。
しかし最後は地力の差。サーブで崩されると、またも壁が厚くなる。結局、ブロックで日本の3倍近い20点を許した。栗原は「ペースをつかみかけても、あと何点かが取れなかった。これが現実」。
今大会での北京切符獲得は険しさを増した。大阪では世界ランク4位のイタリア戦も待つ。柳本監督は「メンタル的なものも含めて短い時間の中で修正したい」。そう誓いはしたが、勝機のあった試合を落としては会見場を去る足取りも重たかった。【藤野智成】
○…大山が代表の舞台に帰ってきた。第3セット20-17の場面で、高橋に代わって大山が今大会初出場。アテネ五輪以来となる、人気の「メグ(栗原)カナ(大山)」そろい踏みに、会場が一気にヒートアップした。「すごく緊張したけど、大歓声が勇気になった」。元気にコート内を走り、試合は一気に日本ペースに。第4セットでも再び高橋と交代して試合を盛り上げたが、チームは競り負けた。昨秋から右肩故障で代表を長期離脱していた23歳。同期の荒木、栗原とともにプレーできたが、「やっぱり勝ちたかった」と喜びも半分。次の出番に闘志を燃やしていた。
これはかなり「イタイ」結果だ。「メダルに黄信号」という見出しをうった記事も見たが、「黄信号」なんて甘いもんじゃない。奇跡でも起きない限り「赤信号」ピーカピカ
な状態なのである。
上位陣が星のつぶしあいをしたとしても、イタリア、ブラジルには絶対勝てないし、ポーランド、アメリカ、キューバには出たとこ勝負だからだ。
「負けたけど、課題は明白になった。前向きにとらえたい」(産経新聞)
はあ~
何を今さらという感じである。日本が世界で勝てなくなってから、こんな展開は見飽きている
柳本全日本もアテネから一体どれだけ進歩したのだろう。
「メグ・カナ」同時起用はスケールも大きくなるが、代わりにレシーブのいい高橋選手、木村選手のどちらかを外さなければならない。いっそのことセッターも大型化して欧米型のバレーを志向するというならまだしも、「セッターを中心としたコンビバレー」を標榜する日本にとってかなり難しい話だ。
まあトスワークが単調になってきている現状では、それすら怪しいもんだが…。高橋選手のレフト平行、栗原選手のレフトオープン、バックアタック、両センターのライトへのブロードが日本の攻撃の中心だが、もっと攻撃にバリエーションは持たせられないものか?栗原選手が平行トスもクイックも打つという位でないと、真正面から向かって行っても高い壁に跳ね返されるだけなのだ。
昨日もTVを見ていて思ったのだが、なぜ日本は2本目のつなぎがあんなにも「下手くそ」なんだろう?
リベロの佐野選手や竹下選手が、それこそ「神業」のようなスーパーレシーブをしても、2段トスが全然上げられない。むざむざチャンスボールを返すか、無理して打ってシャットアウトをくらうか、せっかくのいいプレーで流れを呼び込めないでいる。
昨日のセルビアなどを見ても、アンダーでいいから高いトスを上げるように徹底していた。それもセンター付近に、ネットから離し加減のところへ上げていたように見えた。アタッカーも時間的余裕を持ってしっかりとボールをヒットしていた。ただ返すだけではないのだ。
対する日本は二本目を上げる位置はバラバラ、高さも中途半端。打つ時もしっかりヒットするのか、リバウンドを取るのか狙いが不明確だ。手に汗握るラリーのあとに「あ~あ」、何度会場がため息に包まれたのか。
鍛えるポイントがなんか違うような気がする。3人レシーブの弊害ではないか?
白うさぎもチビうさ達のめんどうを見ながらTV観戦。最後はお風呂に入れていて勝敗まではわからなかった。ただ「中継録画」で放送されているだけに、放送時間の残り時間から計算すると、「あ、負けたなこれは…」とは思っていたのだが…。
「女子バレーW杯 日本、今大会初黒星 セルビアに逆転負け」「毎日新聞」
バレーボールのワールドカップ(W杯)女子大会第3日は、東京体育館と浜松アリーナで6試合を行い、日本は1-3でセルビアに敗れて今大会初黒星を喫した。日本は、第2セットまでを連取されたが、荒木(東レ)の活躍や粘り強いレシーブで第3セットを奪った。第4セットもリードを保っていたが、セルビアの厳しい追い上げを食い止められず、逆転負け。セルビアは、セルビア・モンテネグロとして出場した昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した強豪で、長身を生かしたスパイクとブロックで日本を圧倒した。
昨年の世界選手権準優勝のブラジルは、3-2でアテネ五輪銅メダルのキューバを退けて3連勝。韓国は、イタリアに敗れて3連敗。ドミニカ共和国が、フルセットの末にタイを降して今大会初勝利を挙げた。
◇日本、痛恨の黒星…善戦も自力の差で
逆転勝利への筋書きは、スタンドを埋めた1万人の悲鳴とともに泡と化した。日本は攻勢に転じていた第4セット、最大7点差をつけながらもひっくり返され、惜しい星を落とした。
セルビア・モンテネグロとして出場した昨年の世界選手権で銅メダルをつかんだ強敵。190センチ台が3人居並ぶ先発7人(リベロを含む)の平均身長は日本を10センチ上回る。その高さに苦しみ、再三、壁にはね返され、簡単に2セット先取された。
だが、世界選手権で日本は同じく2セット先取されながらフルセットに持ち込み、逆転勝ちしている。その再現に向け、3セット目途中で右肩痛から復帰した大山を投入し、声援を味方に流れを呼び込んだのは柳本監督の選手起用の妙。マークの集まる栗原から荒木、杉山のセンターに攻撃の軸を移したのも奏功し、逆転のおぜん立てはした。
しかし最後は地力の差。サーブで崩されると、またも壁が厚くなる。結局、ブロックで日本の3倍近い20点を許した。栗原は「ペースをつかみかけても、あと何点かが取れなかった。これが現実」。
今大会での北京切符獲得は険しさを増した。大阪では世界ランク4位のイタリア戦も待つ。柳本監督は「メンタル的なものも含めて短い時間の中で修正したい」。そう誓いはしたが、勝機のあった試合を落としては会見場を去る足取りも重たかった。【藤野智成】
○…大山が代表の舞台に帰ってきた。第3セット20-17の場面で、高橋に代わって大山が今大会初出場。アテネ五輪以来となる、人気の「メグ(栗原)カナ(大山)」そろい踏みに、会場が一気にヒートアップした。「すごく緊張したけど、大歓声が勇気になった」。元気にコート内を走り、試合は一気に日本ペースに。第4セットでも再び高橋と交代して試合を盛り上げたが、チームは競り負けた。昨秋から右肩故障で代表を長期離脱していた23歳。同期の荒木、栗原とともにプレーできたが、「やっぱり勝ちたかった」と喜びも半分。次の出番に闘志を燃やしていた。
これはかなり「イタイ」結果だ。「メダルに黄信号」という見出しをうった記事も見たが、「黄信号」なんて甘いもんじゃない。奇跡でも起きない限り「赤信号」ピーカピカ

上位陣が星のつぶしあいをしたとしても、イタリア、ブラジルには絶対勝てないし、ポーランド、アメリカ、キューバには出たとこ勝負だからだ。
「負けたけど、課題は明白になった。前向きにとらえたい」(産経新聞)
はあ~


「メグ・カナ」同時起用はスケールも大きくなるが、代わりにレシーブのいい高橋選手、木村選手のどちらかを外さなければならない。いっそのことセッターも大型化して欧米型のバレーを志向するというならまだしも、「セッターを中心としたコンビバレー」を標榜する日本にとってかなり難しい話だ。
まあトスワークが単調になってきている現状では、それすら怪しいもんだが…。高橋選手のレフト平行、栗原選手のレフトオープン、バックアタック、両センターのライトへのブロードが日本の攻撃の中心だが、もっと攻撃にバリエーションは持たせられないものか?栗原選手が平行トスもクイックも打つという位でないと、真正面から向かって行っても高い壁に跳ね返されるだけなのだ。
昨日もTVを見ていて思ったのだが、なぜ日本は2本目のつなぎがあんなにも「下手くそ」なんだろう?
リベロの佐野選手や竹下選手が、それこそ「神業」のようなスーパーレシーブをしても、2段トスが全然上げられない。むざむざチャンスボールを返すか、無理して打ってシャットアウトをくらうか、せっかくのいいプレーで流れを呼び込めないでいる。
昨日のセルビアなどを見ても、アンダーでいいから高いトスを上げるように徹底していた。それもセンター付近に、ネットから離し加減のところへ上げていたように見えた。アタッカーも時間的余裕を持ってしっかりとボールをヒットしていた。ただ返すだけではないのだ。
対する日本は二本目を上げる位置はバラバラ、高さも中途半端。打つ時もしっかりヒットするのか、リバウンドを取るのか狙いが不明確だ。手に汗握るラリーのあとに「あ~あ」、何度会場がため息に包まれたのか。
鍛えるポイントがなんか違うような気がする。3人レシーブの弊害ではないか?
2007年11月04日
バレーボールワールドカップが開幕!!
11月2日からバレーボールのワールドカップが開幕した。
皆さんもお茶の間で手に汗を握りながら(古い表現だなぁ
)観戦していることと思う。
「バレーバカ」(by嫁さん)の白うさぎも、1、2戦と合間を見ながらTV観戦した。
まずは開幕2連勝と幸先のいいスタートをきった全日本女子だが、元バレー部として思ったことを書き連ねたい。
まず、この大会の位置付けについてだが、バレーボールは元々「三大大会」と呼ばれる「オリンピック」、「世界選手権」、「ワールドカップ」があって、これらが権威のある大会だった。
中でも4年に一度のオリンピックは、出場チーム数も限られており、一番格上の大会だ。
次がオリンピックの中間年に行われる世界選手権。これは出場チーム数も多く、勝ち進むのがハードで本当の意味での世界一決定戦に近い。
そしてワールドカップ。この大会は、以前はオリンピックの翌年に開催されていたのだが、現在は前年に開催され、オリンピック予選を兼ねる大会となっている。
ここ数年、毎年のように日本でバレーボールの大会が開催されているので、何がなんやら分からない状態となっているのが…
だが。
民放がバックについて視聴率を稼ごうと、芸能人をサポーターに起用したり、どこも「4年に一度の世界一決定戦」という使い古されたキャッチフレーズで、自局の大会を少しでも権威付けしようと煽りまくるもんだから、視聴者が混乱するわけだ。毎年「4年に一度の世界一決定戦」が行われてたまるか
とツッコミを入れたくなる。
「国際大会」といいながら、開催国である日本に徹底的に有利になるような組み合わせ。
他国の試合はほとんど観客が入らずガラガラの会場。なのに日本戦の前には、過剰な程ショーアップされた演出が行われ、不必要な芸能人のパフォーマンスが試合前の厳粛な雰囲気をブチ壊す。
まさにやりたい放題の「スポーツイベント」化してしまっているのだ。
白うさぎ宅は、産経新聞をとっているが、このような惨状になったのは、ひとえにフジテレビの責任だ。
元々ミュンヘンオリンピックの金メダル監督であった松平康隆氏(この人は東京で銅メダル、メキシコでも銀メダルを獲得しているスゴい指導者だった。)が、バレーボールを国民的スポーツとして定着させようと、プロ野球シーズンが一段落したこの時期に、フジテレビと組んで日本にワールドカップを誘致したのがきっかけだ。
今ではジャパンマネーの影響もあって、ワールドカップのみは半永久的に日本で開催されることとなっている。(つまり出場の為の予選を免除されるということ。)
これはこれで良かったのだが、’84のロス五輪で全日本女子が銅メダルを獲得して以降、バレー界は長い低迷期に入り、これに歩調をあわせるかのように、大会毎の演出が過剰化するようになってきた。
つまり視聴率第一のTV局にとって、「バレーボール」というスポーツは、それだけ魅力のないコンテンツに成り下がってしまったということだ。
男子などは、メダルどころかリーグ戦での勝ち越し自体が絶望的な状態だから、最近は全くTVでも取り上げられない。(皆さん女子ばかり取り上げられているの、おかしいと思いませんでしたか?)
男子に比べ少しは状況がマシな女子についても同様だ。現状のチーム力では、いくら頑張っても世界でベスト8クラスであり、メダル獲得などおぼつかないのは本当はわかっているハズなのに、威勢のいい掛け声しか聞こえてこない。
しかも視聴率獲得の為に、録画とはいえ試合前の大切な練習の時期に、TVに引っ張りまわされバカなことをやらされてる選手もかわいそうだ。(楽しんでいる選手もいる様だが…
)
敗戦に次ぐ敗戦を繰り返しても、「まだ次がある」「奇跡を信じましょう」と、大本営発表さながらの放送にはいい加減辟易させられる。
亀田親子を増長させ、ボクシングという命がけのスポーツを貶めたTBSを、どこの局も本来批判などできないハズなのだ。
さて、今大会に出場している全日本女子のメンバーは以下の通り。
①栗原 恵(23) パイオニア 186cm WS
②大山 加奈(23) 東レ 187cm WS
③竹下 佳江(29) JT 159cm セッター ★
⑤高橋 みゆき(28) NEC 170cm WS
⑧多治見 麻子(35) パイオニア 180cm センター
⑨杉山 祥子(28) NEC 184cm センター
⑪荒木 絵里香(23) 東レ 186cm センター
⑫木村 沙織(21) 東レ 184cm WS
⑮河合 由貴(17) 東九州龍谷高 168cm セッター
⑯大村 加奈子(30) 久光製薬 184cm センター
⑰佐野 優子(28) 久光製薬 159cm リベロ
⑱庄司 夕起(25) パイオニア 182cm センター
※1 ★印はキャプテン
※2 「WS」は「ウイング・スパイカー」の略。「レフト」及び「ライト」のサイドの選手をいう。昨今のバレーボール界も「欧米か?」じゃないけど欧米のチームがリードしていることもあって、聞き慣れない英語が増えてきた。上記には「センター」と書いてあるが、「MD」(ミドル・ブロッカー)と呼ぶこともある。他にもサーブレシーブを「レセプション」といったり、それ以外のレシーブを「ディグ」といったりもする。
今大会のメンバーでの注目は、久しぶりの「メグ・カナ」のそろい踏みと、高校生セッターの河合選手の代表入りであろう。
「メグ・カナ」の「メグ」こと栗原選手と「カナ」こと大山選手だが、栗原選手がエースとしてたくましさを増し、大車輪の活躍をしているのに比べ、大山選手は故障明けで、まだトップレベルの真剣試合に出られる状態ではない。
それでも代表チームへ選出され、ウォームアップゾーンから試合を眺めなければならないのは悔しくて仕方ないハズだ。なのにTVのカメラは執拗に大山選手のアップを映し出す。そのデリカシーのなさに「いい加減やめれ
」といわずにおれない。
大山選手が所属するのは滋賀県に本拠を置くバレーボールチーム「東レアローズ」だ。びわこ放送でも彼女を起用したCMがオンエアされたからご存知の方も多いだろう。いわば滋賀の宝ともいっていい選手なだけに、本番は来年なので今は休養に専念して欲しいと思う。
一方サプライズ選出となった河合選手だが、これもどうかと思う。
いくらセンスが良くても、高校生の力を借りなければならない程シニアレベルではいいセッターがいないのか?将来性があるといっても170㎝に満たない子をだ。
元日立で全日本を長らく牽引した故山田重雄監督は、「天才セッター」と呼ばれた中学校時代の中田久美氏(177㎝)に対し、「これからは3mに届かない人は全日本に入っちゃいけないよ」と言ったといわれている。
「FIVB(国際バレーボール連盟」のHPによれば、彼女の最高到達点は280㎝である。これは159㎝のスターティングセッター竹下選手と同じである。
竹下選手のトスの技術は確かに上手いかもしれないが、「高さ」という絶対的な武器にかける為、せっかく上げたトスをアタッカーがスパイクするまでに一瞬タイムラグが生じる。
クイック攻撃などは、上がったボールを直ぐにスパイクするからこそ「クイック」なのだ。それもセッターがジャンプトスして、ジャンプしたアタッカーにより近い位置でボールを離す方が、効果は高い。
というのも現代バレーのブロックシステムは、ボールがセッターの手を離れてから、どのアタッカーが打つかを読んでジャンプする為、ボールの行き先がわかりやすいというのは、それだけでも不利なのだ。相手チームとしては、必ずしもシャットアウトする必要はなく、指先に引っ掛けるだけで、威力を半減させたボールを拾って切り返したらいいだけである。
だから、才能があるといっても、この選手を入れた意図がさっぱりわからない。
ただ、代表チームのセッターに企業チームが選手を送り出すのは、非常にリスクが高い行為であることも事実である。
所属チームはレギュラー選手を持っていかれてしまい、全日本のシーズン中は大事なコンビ合わせが全くできないからだ。おまけにケガなどされたら、それこそ目も当てられない。
しかも、柳本監督は北京オリンピックまで竹下選手と心中するつもりでいるから、大事なセッターを代表チームで「飼い殺し」の状態にさせるチームは「ない」というのも事実だ。以前代表チームで「飼い殺し」にされた選手がそのまま調子を崩し、引退したこともあるぐらいだ。
長らく全日本の女子は、日立やユニチカといったチームの単独チーム状態だったからこういう問題は起こらなかったのだが、そういう意味で、河合選手は入れやすかったのかもしれない。ただし、竹下選手以外を起用する気がないのに、不測の事態が起こったらどうするつもりなのだろうか?
女子大会の試合順は次の通りである。
2日 ドミニカ共和国(世界ランク16位) ○3-0
3日 韓国(世界ランク11位) ○3-1
4日 セルビア(世界ランク9位) ○
6日 タイ(世界ランク30位) ○
7日 イタリア(世界ランク4位) ●
9日 ペルー(世界ランク18位) ○
10日 ポーランド(世界ランク10位) ●
11日 ケニア(世界ランク18位) ○
14日 キューバ(世界ランク5位) ●
15日 アメリカ(世界ランク8位) ●
16日 ブラジル(世界ランク3位) ●
3日目以降は、ちょっと独断と偏見で勝敗予測を入れてみた。ポーランド、キューバ、アメリカあたりにはひょっとしたら勝てるかもしれない。そしたら3位以内も目に入ってくるが…。
しかしポーランドには先のワールドグランプリでも負けているので要注意。キューバは勢いにのせたら勝ち目はない。アメリカもデータバレーで攻撃パターンが読まれるとかなりヤバい。
いずれにしても今夜のセルビア戦に勝たないとどうにもならないのだが…。タイが昨日意外と善戦したので、まだ序盤だしいけるのではないか?とも思うが…。
皆さんもお茶の間で手に汗を握りながら(古い表現だなぁ

「バレーバカ」(by嫁さん)の白うさぎも、1、2戦と合間を見ながらTV観戦した。
まずは開幕2連勝と幸先のいいスタートをきった全日本女子だが、元バレー部として思ったことを書き連ねたい。
まず、この大会の位置付けについてだが、バレーボールは元々「三大大会」と呼ばれる「オリンピック」、「世界選手権」、「ワールドカップ」があって、これらが権威のある大会だった。
中でも4年に一度のオリンピックは、出場チーム数も限られており、一番格上の大会だ。
次がオリンピックの中間年に行われる世界選手権。これは出場チーム数も多く、勝ち進むのがハードで本当の意味での世界一決定戦に近い。
そしてワールドカップ。この大会は、以前はオリンピックの翌年に開催されていたのだが、現在は前年に開催され、オリンピック予選を兼ねる大会となっている。
ここ数年、毎年のように日本でバレーボールの大会が開催されているので、何がなんやら分からない状態となっているのが…

民放がバックについて視聴率を稼ごうと、芸能人をサポーターに起用したり、どこも「4年に一度の世界一決定戦」という使い古されたキャッチフレーズで、自局の大会を少しでも権威付けしようと煽りまくるもんだから、視聴者が混乱するわけだ。毎年「4年に一度の世界一決定戦」が行われてたまるか


「国際大会」といいながら、開催国である日本に徹底的に有利になるような組み合わせ。
他国の試合はほとんど観客が入らずガラガラの会場。なのに日本戦の前には、過剰な程ショーアップされた演出が行われ、不必要な芸能人のパフォーマンスが試合前の厳粛な雰囲気をブチ壊す。
まさにやりたい放題の「スポーツイベント」化してしまっているのだ。
白うさぎ宅は、産経新聞をとっているが、このような惨状になったのは、ひとえにフジテレビの責任だ。
元々ミュンヘンオリンピックの金メダル監督であった松平康隆氏(この人は東京で銅メダル、メキシコでも銀メダルを獲得しているスゴい指導者だった。)が、バレーボールを国民的スポーツとして定着させようと、プロ野球シーズンが一段落したこの時期に、フジテレビと組んで日本にワールドカップを誘致したのがきっかけだ。
今ではジャパンマネーの影響もあって、ワールドカップのみは半永久的に日本で開催されることとなっている。(つまり出場の為の予選を免除されるということ。)
これはこれで良かったのだが、’84のロス五輪で全日本女子が銅メダルを獲得して以降、バレー界は長い低迷期に入り、これに歩調をあわせるかのように、大会毎の演出が過剰化するようになってきた。
つまり視聴率第一のTV局にとって、「バレーボール」というスポーツは、それだけ魅力のないコンテンツに成り下がってしまったということだ。
男子などは、メダルどころかリーグ戦での勝ち越し自体が絶望的な状態だから、最近は全くTVでも取り上げられない。(皆さん女子ばかり取り上げられているの、おかしいと思いませんでしたか?)
男子に比べ少しは状況がマシな女子についても同様だ。現状のチーム力では、いくら頑張っても世界でベスト8クラスであり、メダル獲得などおぼつかないのは本当はわかっているハズなのに、威勢のいい掛け声しか聞こえてこない。
しかも視聴率獲得の為に、録画とはいえ試合前の大切な練習の時期に、TVに引っ張りまわされバカなことをやらされてる選手もかわいそうだ。(楽しんでいる選手もいる様だが…

敗戦に次ぐ敗戦を繰り返しても、「まだ次がある」「奇跡を信じましょう」と、大本営発表さながらの放送にはいい加減辟易させられる。
亀田親子を増長させ、ボクシングという命がけのスポーツを貶めたTBSを、どこの局も本来批判などできないハズなのだ。
さて、今大会に出場している全日本女子のメンバーは以下の通り。
①栗原 恵(23) パイオニア 186cm WS
②大山 加奈(23) 東レ 187cm WS
③竹下 佳江(29) JT 159cm セッター ★
⑤高橋 みゆき(28) NEC 170cm WS
⑧多治見 麻子(35) パイオニア 180cm センター
⑨杉山 祥子(28) NEC 184cm センター
⑪荒木 絵里香(23) 東レ 186cm センター
⑫木村 沙織(21) 東レ 184cm WS
⑮河合 由貴(17) 東九州龍谷高 168cm セッター
⑯大村 加奈子(30) 久光製薬 184cm センター
⑰佐野 優子(28) 久光製薬 159cm リベロ
⑱庄司 夕起(25) パイオニア 182cm センター
※1 ★印はキャプテン
※2 「WS」は「ウイング・スパイカー」の略。「レフト」及び「ライト」のサイドの選手をいう。昨今のバレーボール界も「欧米か?」じゃないけど欧米のチームがリードしていることもあって、聞き慣れない英語が増えてきた。上記には「センター」と書いてあるが、「MD」(ミドル・ブロッカー)と呼ぶこともある。他にもサーブレシーブを「レセプション」といったり、それ以外のレシーブを「ディグ」といったりもする。
今大会のメンバーでの注目は、久しぶりの「メグ・カナ」のそろい踏みと、高校生セッターの河合選手の代表入りであろう。
「メグ・カナ」の「メグ」こと栗原選手と「カナ」こと大山選手だが、栗原選手がエースとしてたくましさを増し、大車輪の活躍をしているのに比べ、大山選手は故障明けで、まだトップレベルの真剣試合に出られる状態ではない。
それでも代表チームへ選出され、ウォームアップゾーンから試合を眺めなければならないのは悔しくて仕方ないハズだ。なのにTVのカメラは執拗に大山選手のアップを映し出す。そのデリカシーのなさに「いい加減やめれ

大山選手が所属するのは滋賀県に本拠を置くバレーボールチーム「東レアローズ」だ。びわこ放送でも彼女を起用したCMがオンエアされたからご存知の方も多いだろう。いわば滋賀の宝ともいっていい選手なだけに、本番は来年なので今は休養に専念して欲しいと思う。
一方サプライズ選出となった河合選手だが、これもどうかと思う。
いくらセンスが良くても、高校生の力を借りなければならない程シニアレベルではいいセッターがいないのか?将来性があるといっても170㎝に満たない子をだ。
元日立で全日本を長らく牽引した故山田重雄監督は、「天才セッター」と呼ばれた中学校時代の中田久美氏(177㎝)に対し、「これからは3mに届かない人は全日本に入っちゃいけないよ」と言ったといわれている。
「FIVB(国際バレーボール連盟」のHPによれば、彼女の最高到達点は280㎝である。これは159㎝のスターティングセッター竹下選手と同じである。
竹下選手のトスの技術は確かに上手いかもしれないが、「高さ」という絶対的な武器にかける為、せっかく上げたトスをアタッカーがスパイクするまでに一瞬タイムラグが生じる。
クイック攻撃などは、上がったボールを直ぐにスパイクするからこそ「クイック」なのだ。それもセッターがジャンプトスして、ジャンプしたアタッカーにより近い位置でボールを離す方が、効果は高い。
というのも現代バレーのブロックシステムは、ボールがセッターの手を離れてから、どのアタッカーが打つかを読んでジャンプする為、ボールの行き先がわかりやすいというのは、それだけでも不利なのだ。相手チームとしては、必ずしもシャットアウトする必要はなく、指先に引っ掛けるだけで、威力を半減させたボールを拾って切り返したらいいだけである。
だから、才能があるといっても、この選手を入れた意図がさっぱりわからない。
ただ、代表チームのセッターに企業チームが選手を送り出すのは、非常にリスクが高い行為であることも事実である。
所属チームはレギュラー選手を持っていかれてしまい、全日本のシーズン中は大事なコンビ合わせが全くできないからだ。おまけにケガなどされたら、それこそ目も当てられない。
しかも、柳本監督は北京オリンピックまで竹下選手と心中するつもりでいるから、大事なセッターを代表チームで「飼い殺し」の状態にさせるチームは「ない」というのも事実だ。以前代表チームで「飼い殺し」にされた選手がそのまま調子を崩し、引退したこともあるぐらいだ。
長らく全日本の女子は、日立やユニチカといったチームの単独チーム状態だったからこういう問題は起こらなかったのだが、そういう意味で、河合選手は入れやすかったのかもしれない。ただし、竹下選手以外を起用する気がないのに、不測の事態が起こったらどうするつもりなのだろうか?
女子大会の試合順は次の通りである。
2日 ドミニカ共和国(世界ランク16位) ○3-0
3日 韓国(世界ランク11位) ○3-1
4日 セルビア(世界ランク9位) ○
6日 タイ(世界ランク30位) ○
7日 イタリア(世界ランク4位) ●
9日 ペルー(世界ランク18位) ○
10日 ポーランド(世界ランク10位) ●
11日 ケニア(世界ランク18位) ○
14日 キューバ(世界ランク5位) ●
15日 アメリカ(世界ランク8位) ●
16日 ブラジル(世界ランク3位) ●
3日目以降は、ちょっと独断と偏見で勝敗予測を入れてみた。ポーランド、キューバ、アメリカあたりにはひょっとしたら勝てるかもしれない。そしたら3位以内も目に入ってくるが…。
しかしポーランドには先のワールドグランプリでも負けているので要注意。キューバは勢いにのせたら勝ち目はない。アメリカもデータバレーで攻撃パターンが読まれるとかなりヤバい。
いずれにしても今夜のセルビア戦に勝たないとどうにもならないのだが…。タイが昨日意外と善戦したので、まだ序盤だしいけるのではないか?とも思うが…。
2007年08月27日
オリンピックへ出るだけじゃ意味がない!
今日昼休みにネットでニュースなど見ていたら、こんな記事を見つけた。
産経新聞東京本社運動部の只木信昭記者の記事だ。ちょっと長いが引用してみる。
『がんばれ! 全日本女子バレー。ほんと頼むよ』
「さて、大会について、とか、現在の全日本について、あちこちで批判的な書き込みを見かけますねえ。的を射ていると思わされるものも多く、勉強になります。特に、セッターに関する批判。たしかに、これについては現場でも少し気になっていて、知り合いといろいろ話し合ったりしていました。
主将の竹下は159cmと、非常に小さい選手です。それが前衛に回ると、どうしてもブロックの穴になる。それでも彼女は、時にものすごいブロックシャットを決めてくれもするのですが、はやりハンディであることは間違いない。また身長が低い分、ハンドリングの位置も低くなるから、トスが長くなり、相手に時間的余裕を与えてしまうという指摘ももっともです。竹下の闘志と技術自体は世界トップレベルだと私は思っていますが、やはり身長が低いというのは、セッターにとっても出発点から不利ということは否めません。
ところが、今大会を通じて感じたセッターの問題は、それだけではありませんでした。
まず、竹下のトス自体が、あまりに単調になっていたこと。サーブレシーブがきれいに入っても、ほとんど荒木、庄司のブロードに持って行くから、はじめは決まっていても、すぐに簡単にブロックされるようになる。センターをAに跳ばせてのレフト高橋の平行…は、かなり効果率が高かったと思いますが、これ以外に「これは決まる」と思えるコンビはほとんどなかった気がします。後は栗原のレフトオープンとバックアタック頼み。だから栗原が欠場した試合はスパイクが全然決まらなかった。栗原は1本だけ、右で時間差に入ったプレーもありました。後で栗原に聞いたら「パイオニアでもやっているし、別に違和感はない」といっていましたが、だったらなんでもっと多用しないのかと思わされました。
あと、おそらくはデータで竹下のトスのパターンは完全に読まれているのでしょうね。ボニッタ君が監督になったポーランド戦は特に顕著でしたからね。私はテレビは見ていない(現場にいると基本的に見ていられない)のですが、見た人によると、あんまり簡単に日本の攻撃がブロックで止まるから、ポーランドの選手がニヤついていたとか。以前から日本はポーランドに分がよくて、大事な大会ではほとんど勝っていたのですがねえ。ポーランド自体は相変わらずミスが多く、そんなに変わったとは思えないだけに、データ負けという感は強いですね。
で、それならワンポイントでセッターを代えたら?という疑問は、当然生じます。しかし柳本監督は一度もそれをしなかった。代えるとなると、板橋しかいないのですが…。どうも監督には板橋を使うという意識がないのかもしれない。そこまで突っ込んだことは監督に聞けていないので、この辺の結論を出すわけにはいきませんが。
そもそもアテネ五輪後、北京へ向けて最初に柳本全日本が招集されたとき、私の興味はセッターにありました。2003年の就任後、アテネまでは時間がないので竹下でいくが、北京へ向けては若手を育てるというグランドデザインを、監督自身も話していたからです。
で、北京へ向けての再出発で、当面は竹下でいき、若いのが育ったら竹下と競わせる、と。それはいいんだけど、誰を育てるのかと見渡すと、木村しかいない。その後、実際に木村をセッターとしてコートに立たせもしたし、「3セッター制」を標榜して高橋翠を入れたこともあったわけですが、結局実を結ばないまま。そりゃ、いかに天才・木村といえど、全日本だけでたまにトス上げるだけでセッターとして力がつくはずもないですよ。今となっては、木村をセッターにしたら攻撃力とサーブレシーブの枚数が減ってしまうので、とてもじゃないけど無理でしょう。
本当なら、もっと早い段階で、たとえば橋本とか大山妹とか、若くて高くて能力のありそうなセッターを入れて競わせる形にすればよかったんでしょうけどねえ。センターはいろいろと若いのを試して、それなりに成果も出ているわけですが、セッターは全然です。
まあ、去年の世界選手権とか、結果を求められる大会で若いセッターに任せて惨敗したら責任論も出たかも知れません。でも、将来を見据えて若手を出しての結果なら、少なくとも私は擁護する原稿を書いたとは思いますが。今回のWGP(それと今度のアジア選手権)が最後のチャンスだったかも知れませんが、五輪出場権獲得を目指すと公言しているワールドカップまで2カ月となった現時点で、竹下以外にセッターを任せることは、もうできないでしょうね。」『証城寺の夜』イザ!より
こういった記事は、はっきり言ってバレーボールの専門誌でもお目にかかれないし、もちろんスポーツ雑誌でもとりあげられない。しかしこういう意見がもっと出てこないと、本当に日本のバレーボール界はダメになってしまう!と白うさぎは本気で思っている。
だってバレーの専門誌は基本的に提灯記事ばかりで、批評が少ないし、硬派なスポーツ雑誌にとっては、バレーボールってアイドルが前座をつとめる「感動大安売り興行」としか思われていないのではないか?と感じる時がある。
例えばサッカーの日本代表を見て欲しい。
鳴り物入りで代表監督に推戴されたイビツァ・オシム監督だが、就任当初こそ「オシム語録」だの散々持ち上げられたものの、アジアカップで4位という無残な結果に終わるや、「なぜ辞任しないのか?」「協会は責任をなぜとらない?」「このままでいいのか?」と批判のオンパレードだ。
もちろん就任当初から批判的な目で見ていたライターもいるし、全ての人が掌を返すような対応をした訳じゃないが、負けたらたたかれるのは当たり前
視聴率のためにアオリまくるTV局と違って、まだ健全な批判精神がサッカー界にはあるといえる。
ところが、バレーボールは負けても「まだ次がある」、予選突破が困難になっても「まだ望みはある」、順位が絶望的になってさえ「奇跡を起こせ!」って、起こるわけないやろっ

専門の記者が言うまでもなく、今の全日本女子はダメだ
今のままなら秋のワールドカップでオリンピックの出場権をとるなど100%不可能だ。ワールドカップを独占放映するのは、只木記者には申し訳ないが、産経新聞と同系列のフジテレビだが、いくらTV局にアオられても決して皆さん惑わされないように!
文中で只木記者が指摘するように、今の全日本女子の最大の弱点は、「世界最小・最強セッター」とTV局にニックネームをつけられた竹下選手の低身長だ。
159㎝の低身長ながら、しかも一時バレーボールを引退し、ハローワーク通いまでした竹下選手には本当に酷な話だが、もう限界だと思う。
これは本人の能力だけでなく、周囲の選手の力との相関関係で、低身長セッターを活かせるだけのチーム構成になっていないからだ。現代バレーボールは、とにかく身長が高い方が有利なスポーツになってしまっていて、その中であえて低身長セッターで勝負しようというのだから、ブロックが弱くても堅実なレシーブからの多彩な攻撃しか活路はないはずだ。
ところが、「メグ・カナ」と騒がれた二人も、未だ全日本の屋台骨を背負うだけの実力はなく、常時試合に出て周囲を鼓舞する吉原選手みたいなベテラン選手もいない。(吉原選手なんか白うさぎより1学年上だったんだからホントにすごかった。白うさぎの同学年の男子バレー選手はほとんど引退しているのに
)
日本はロシアのように190㎝オーバー(つまり白うさぎより大きい)選手に、ただ高いトスを上げときゃいいチームとは違うのだ。大山選手も栗原選手も、高いオープントスやバックアタックだけではなく、レフトの平行トスや時間差、クイックなどもこなせるようにならないと全くお話にならないのに、なぜいつになってもチームが進歩していかないのか?
また「サーブレシーブがきれいに入っても、ほとんど荒木、庄司のブロードに持って行くから、はじめは決まっていても、すぐに簡単にブロックされるようになる。」も気になる。シドニーオリンピックの出場権を逃し、その後の世界選手権では予選落ちという、ドン底状態にあった全日本女子の攻撃も、レフトの平行かライトへのブロード攻撃のワンパターンで、なんの工夫も感じられなかった。勝てなくて当たり前である。
本番は秋だから、今は試行期間なのかも知れないが、安くないお金を払ってるファンはたまったものじゃない。
まあ、実際のところチームは手詰まりなのではないか?
日本開催の強みをいつも活かせるから、ワールドカップで出場権がとれなくても最終予選できっと勝てるだろう。しかし今のままでは期待したってオリンピックでメダルは無理。
オリンピック終了後、柳本監督は辞任するだろうけど、代わりがいない。だからこそ柳本監督のハッタリにうすうす気付きながらも今日まで来てしまったといった感じなのだろう。ひどいものだ。
産経新聞東京本社運動部の只木信昭記者の記事だ。ちょっと長いが引用してみる。
『がんばれ! 全日本女子バレー。ほんと頼むよ』
「さて、大会について、とか、現在の全日本について、あちこちで批判的な書き込みを見かけますねえ。的を射ていると思わされるものも多く、勉強になります。特に、セッターに関する批判。たしかに、これについては現場でも少し気になっていて、知り合いといろいろ話し合ったりしていました。
主将の竹下は159cmと、非常に小さい選手です。それが前衛に回ると、どうしてもブロックの穴になる。それでも彼女は、時にものすごいブロックシャットを決めてくれもするのですが、はやりハンディであることは間違いない。また身長が低い分、ハンドリングの位置も低くなるから、トスが長くなり、相手に時間的余裕を与えてしまうという指摘ももっともです。竹下の闘志と技術自体は世界トップレベルだと私は思っていますが、やはり身長が低いというのは、セッターにとっても出発点から不利ということは否めません。
ところが、今大会を通じて感じたセッターの問題は、それだけではありませんでした。
まず、竹下のトス自体が、あまりに単調になっていたこと。サーブレシーブがきれいに入っても、ほとんど荒木、庄司のブロードに持って行くから、はじめは決まっていても、すぐに簡単にブロックされるようになる。センターをAに跳ばせてのレフト高橋の平行…は、かなり効果率が高かったと思いますが、これ以外に「これは決まる」と思えるコンビはほとんどなかった気がします。後は栗原のレフトオープンとバックアタック頼み。だから栗原が欠場した試合はスパイクが全然決まらなかった。栗原は1本だけ、右で時間差に入ったプレーもありました。後で栗原に聞いたら「パイオニアでもやっているし、別に違和感はない」といっていましたが、だったらなんでもっと多用しないのかと思わされました。
あと、おそらくはデータで竹下のトスのパターンは完全に読まれているのでしょうね。ボニッタ君が監督になったポーランド戦は特に顕著でしたからね。私はテレビは見ていない(現場にいると基本的に見ていられない)のですが、見た人によると、あんまり簡単に日本の攻撃がブロックで止まるから、ポーランドの選手がニヤついていたとか。以前から日本はポーランドに分がよくて、大事な大会ではほとんど勝っていたのですがねえ。ポーランド自体は相変わらずミスが多く、そんなに変わったとは思えないだけに、データ負けという感は強いですね。
で、それならワンポイントでセッターを代えたら?という疑問は、当然生じます。しかし柳本監督は一度もそれをしなかった。代えるとなると、板橋しかいないのですが…。どうも監督には板橋を使うという意識がないのかもしれない。そこまで突っ込んだことは監督に聞けていないので、この辺の結論を出すわけにはいきませんが。
そもそもアテネ五輪後、北京へ向けて最初に柳本全日本が招集されたとき、私の興味はセッターにありました。2003年の就任後、アテネまでは時間がないので竹下でいくが、北京へ向けては若手を育てるというグランドデザインを、監督自身も話していたからです。
で、北京へ向けての再出発で、当面は竹下でいき、若いのが育ったら竹下と競わせる、と。それはいいんだけど、誰を育てるのかと見渡すと、木村しかいない。その後、実際に木村をセッターとしてコートに立たせもしたし、「3セッター制」を標榜して高橋翠を入れたこともあったわけですが、結局実を結ばないまま。そりゃ、いかに天才・木村といえど、全日本だけでたまにトス上げるだけでセッターとして力がつくはずもないですよ。今となっては、木村をセッターにしたら攻撃力とサーブレシーブの枚数が減ってしまうので、とてもじゃないけど無理でしょう。
本当なら、もっと早い段階で、たとえば橋本とか大山妹とか、若くて高くて能力のありそうなセッターを入れて競わせる形にすればよかったんでしょうけどねえ。センターはいろいろと若いのを試して、それなりに成果も出ているわけですが、セッターは全然です。
まあ、去年の世界選手権とか、結果を求められる大会で若いセッターに任せて惨敗したら責任論も出たかも知れません。でも、将来を見据えて若手を出しての結果なら、少なくとも私は擁護する原稿を書いたとは思いますが。今回のWGP(それと今度のアジア選手権)が最後のチャンスだったかも知れませんが、五輪出場権獲得を目指すと公言しているワールドカップまで2カ月となった現時点で、竹下以外にセッターを任せることは、もうできないでしょうね。」『証城寺の夜』イザ!より
こういった記事は、はっきり言ってバレーボールの専門誌でもお目にかかれないし、もちろんスポーツ雑誌でもとりあげられない。しかしこういう意見がもっと出てこないと、本当に日本のバレーボール界はダメになってしまう!と白うさぎは本気で思っている。
だってバレーの専門誌は基本的に提灯記事ばかりで、批評が少ないし、硬派なスポーツ雑誌にとっては、バレーボールってアイドルが前座をつとめる「感動大安売り興行」としか思われていないのではないか?と感じる時がある。
例えばサッカーの日本代表を見て欲しい。
鳴り物入りで代表監督に推戴されたイビツァ・オシム監督だが、就任当初こそ「オシム語録」だの散々持ち上げられたものの、アジアカップで4位という無残な結果に終わるや、「なぜ辞任しないのか?」「協会は責任をなぜとらない?」「このままでいいのか?」と批判のオンパレードだ。
もちろん就任当初から批判的な目で見ていたライターもいるし、全ての人が掌を返すような対応をした訳じゃないが、負けたらたたかれるのは当たり前

ところが、バレーボールは負けても「まだ次がある」、予選突破が困難になっても「まだ望みはある」、順位が絶望的になってさえ「奇跡を起こせ!」って、起こるわけないやろっ


専門の記者が言うまでもなく、今の全日本女子はダメだ

文中で只木記者が指摘するように、今の全日本女子の最大の弱点は、「世界最小・最強セッター」とTV局にニックネームをつけられた竹下選手の低身長だ。
159㎝の低身長ながら、しかも一時バレーボールを引退し、ハローワーク通いまでした竹下選手には本当に酷な話だが、もう限界だと思う。
これは本人の能力だけでなく、周囲の選手の力との相関関係で、低身長セッターを活かせるだけのチーム構成になっていないからだ。現代バレーボールは、とにかく身長が高い方が有利なスポーツになってしまっていて、その中であえて低身長セッターで勝負しようというのだから、ブロックが弱くても堅実なレシーブからの多彩な攻撃しか活路はないはずだ。
ところが、「メグ・カナ」と騒がれた二人も、未だ全日本の屋台骨を背負うだけの実力はなく、常時試合に出て周囲を鼓舞する吉原選手みたいなベテラン選手もいない。(吉原選手なんか白うさぎより1学年上だったんだからホントにすごかった。白うさぎの同学年の男子バレー選手はほとんど引退しているのに

日本はロシアのように190㎝オーバー(つまり白うさぎより大きい)選手に、ただ高いトスを上げときゃいいチームとは違うのだ。大山選手も栗原選手も、高いオープントスやバックアタックだけではなく、レフトの平行トスや時間差、クイックなどもこなせるようにならないと全くお話にならないのに、なぜいつになってもチームが進歩していかないのか?
また「サーブレシーブがきれいに入っても、ほとんど荒木、庄司のブロードに持って行くから、はじめは決まっていても、すぐに簡単にブロックされるようになる。」も気になる。シドニーオリンピックの出場権を逃し、その後の世界選手権では予選落ちという、ドン底状態にあった全日本女子の攻撃も、レフトの平行かライトへのブロード攻撃のワンパターンで、なんの工夫も感じられなかった。勝てなくて当たり前である。
本番は秋だから、今は試行期間なのかも知れないが、安くないお金を払ってるファンはたまったものじゃない。
まあ、実際のところチームは手詰まりなのではないか?
日本開催の強みをいつも活かせるから、ワールドカップで出場権がとれなくても最終予選できっと勝てるだろう。しかし今のままでは期待したってオリンピックでメダルは無理。
オリンピック終了後、柳本監督は辞任するだろうけど、代わりがいない。だからこそ柳本監督のハッタリにうすうす気付きながらも今日まで来てしまったといった感じなのだろう。ひどいものだ。