2009年03月30日

「社員全員集会」の巻

「社員全員集会」の巻

白うさぎの会社は年度末になると、社員全員集会が開催される。
当該年度の実績報告、次年度の実績予想などが報告され、社長自ら会社が今何を考えているのかを説明し、社員と目的を共有する場でもある。さらには日頃の業務の慰労も兼ねている。
今年は会社創立10周年という事で、例年よりも盛大に行われた。

「社員全員集会」の巻
社長による経営方針の説明(PowerPointの背景は作成を担当した本社のスタッフの「お遊びkao07」)

社員集会では「サービスの質と向上」をテーマにして様々な講演会を行っているが、今年は「ディズニーランドの“心の奥を揺さぶるサービスってこういうことなんだ!”」と題して、「香取感動マネジメント」代表取締役の香取貴信氏、「加賀屋感動ストアーマネジメント」代表取締役の加賀屋克美氏のコラボレーションによる講演が行われた。

「社員全員集会」の巻
香取貴信氏(左)と加賀屋克美氏(右)のコラボ講演(ディズニーランド時代から仲の良いお二方だが、コラボレーションは今回が初めてとの事)

オープニングと同時に、スクリーンにディズニーランドのアトラクション「ジャングル・クルーズ」の映像が流され、実際にキャストがライドを操作しながら行う案内セリフをお二方が掛け合いで見せてくれるという、ディズニーランドの疑似体験で幕を開けた。

ディズニーランドでの「感動のサービス」については、以前にも香取氏、加賀屋氏二人の講演で、そのサービスマインドの徹底ぶりには驚かされた。

以前の講演については、コチラを参照⇒「草津で研修!」

講演でいくつか印象に残った事を…。

①「サービス・リカバリー(service recovery)」について

「サービス・リカバリー(service recovery)」とは、ディズニーランドのサービスの一つ。
ディズニーランドの来園者(ゲスト)には、みんな楽しい思い出を持って帰っていただきたい、しかし何らかのアクシデントで「楽しい思い出」が「悲しい思い出」になってしまう事がある。

こんな時、キャスト(ディズニーランドのスタッフ)は、自分の判断で機転を利かせたサービス(「サービス・リカバリー」)を行い、「楽しい思い出」にリカバリー(取り戻す)するというもの。

具体的な例として香取氏自らが体験したケースが紹介された。

・子供達が買ったばかりのポップコーンを取りあいっこした結果、地面にぶちまけてしまった。⇒「悲しい思い出」
・すかさず近くにいた掃除担当のキャストが華麗なワザで掃除してくれ、さらに新しいポップコーンを持ってきてくれた。⇒「サービス・リカバリー」

ここまでならありふれた話だが、この話には続きがあって、キャストに「何味のポップコーンだったの?」と聞かれた際に、子供はちゃかりと、「キャラメル味!」といったそうだ。ホントの中身は「塩味」だったのに…。
それでも「キャラメル味のポップコーン」が手渡されたのだという。
子供は当然大喜び!
ゲストの予想を遥かに超えたサービスは、まさに「サービス・リカバリー」の真髄と言えるのではないか?

もしワザとこぼす人がいたとしても、多分新しいポップコーンは手渡されるであろうという事だそうだ。スゴイ話である。

キャストには自分の判断で「サービス・リカバリー」をしてもいいという権限が与えられているそうだ。

ただそれもゲストの動きに細かく目配りしていないと、とっさに体が動かないし、さらにその経緯を観察していて、瞬間的に心の動きを察する事ができなければ、ゲストの心を揺り動かすサービスはできない。

こういう事は、マニュアルでは絶対にできない事だ。
ディズニーランドの従業員数は約2万人。内9割のスタッフがアルバイトという職場においてそういうスタッフ教育がなされているという事に会社としてのすごさ、サービスに対するこだわりを感じる。

②テーマパークは多々あれど、ディズニーランドのサービスはなぜ一番なのか?

なぜ一番なのか?

それは…「当たり前の事ができる事」

「当たり前の事」とは何か?

それは…「約束を守る事」

「約束を守る」とは具体的に、開園時間やショーやイベントの開始時間が守られている事だったりする。
ディズニーランドでは時間も含めて完璧な状態でゲストに提供する事そのものが「サービス」なのだ。

③「心を揺さぶるサービス」とは何か?

加賀屋氏は、
「思いやるという事。相手の立場になって考える事。」と言う。

当たり前と言えば当たり前だが、当たり前の事を当たり前にやる事ほど難しい事はない。
「サービス・リカバリー」の項で書いた通り、ゲストの言動に注意を払い、その心情に寄り添う事など誰でも簡単にできる事ではない。期待値を遥かに超えたサービスだからこそ、人々の感動を呼び、ディズニーランドのサービスは一番優れていると言えるのではないか。リピーター率98%という数字がそれを実証している。

香取氏は、
「自分の仕事をトコトン好きになる事じゃないか。どんな事でも決めるのは自分だ。」と言う。

「たかがバイト」「たかがこんな仕事」と思うのは自由だが、自分がそう思ってしまえばその程度の仕事でしかなくなる。
逆に、どんな仕事でも「これが自分の好きな最高の仕事」と思えば、自分の仕事に誇りが持てる。
自分の仕事を好きになって、誇りを持ってやるからそれが相手にも伝わって「心を揺さぶる」結果につながるのではないか?
誰にでも未来はあり、可能性がある。限界を決めてしまうのは自分なのだ。
元ヤンキーで、はじめはご自身も「たかがバイト」レベルのキャストだった香取氏ならではの言葉と言える。

最後に「皆さんも自分の可能性にフタをせずに頑張って下さい!」と香取氏にエールを贈っていただいた。

しかし香取氏(1971年生まれ)、加賀屋氏(1972年生まれ)、お二方とも今ではご自分の会社を立ち上げられて全国を飛び回っておられるが、白うさぎよりも年下なのにはちょっとショックを受けた。
まだまだ精進が足らないナ~。頑張らねば!



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