「チビ鉄」新潟へ行く(その5):羽越本線「鼠ヶ関」駅

白うさぎ

2008年10月19日 00:00



羽越本線「鼠ヶ関」駅。

白うさぎの実家の最寄りの駅である「勝木」駅から数えて二つ目の駅である。
隣の駅である「府屋」駅で新潟県村上市は終わり、この駅からは山形県鶴岡市となる。

「鼠ヶ関」には昔の関所跡(「念珠関址」)がある。
勿来関、白河関と並んで奥羽三大関所の一つである。近世からの関所と古代にあった関所と2か所がある。
羽越国境の新潟県側には「日本国」という山もあり、古来から大和朝廷と蝦夷との境目の重要な拠点だったんだろう。

またここは源義経一行が通ったとも言われている。
有名な「勧進帳」の舞台は実はここだったとも言われている。(歌舞伎では「安宅関」だが、当時安宅に関所があったのかどうか疑問視されている。)
前にふれた「笹川流れ」にも「義経の隠れ岩」とか、義経が見て笑ったという「ニタリ岩」、弁慶が投げたという岩があったりするし、海岸線を通った義経一行があまりの険しさに馬を下りて海路を行ったという「馬下(うまおろし・まおろし)」という地名もある。
しかし頼朝の追及の目をかいくぐっての逃避行なのに、なぜあちこちに足跡が残っているのだろう素朴な疑問(?_?)



停車していたキハ110


「鼠ヶ関」駅前
灯台のモニュメントは駅に近い海岸に「鼠ヶ関マリーナ」があるからだ。
平成4年に開催された「べにばな国体」のヨット会場にもなっている。
鼠ヶ関の海岸は遠浅で波も穏やかなため、海水浴には最適である。
昔は「かっぱ号」という臨時列車が新発田方面から海水浴客を満載してやって来て、たいそうにぎわってたんだ…と父が教えてくれた。
駅前の店はほとんどシャッターが下りていて、往時の面影はどこにもない。
でもチビうさ達がもう少し大きくなったら絶対連れて行こう!と心に決めた。




「県境をひとまたぎ」新潟県と山形県の県境に建つ碑

ちょっと山形県側へ足を伸ばしてみると、「鼠ヶ関」の次が「小岩川」、その次の駅が「あつみ温泉」である。漢字で書くと「温海温泉」で難読地名である。
温泉旅館が立ち並ぶ中に、「足湯カフェChittoMotché(チットモッシェ)」がある。なんかフランス語風だが、このあたりの方言で「面白い」ということを「おもしぇ」「もっしぇ」というので、「ちっと もっしぇ」は「ちょっと 面白い」ということ。

そんな田舎の温泉町を騒然とさせたのは昭和48年の「温海事件」だ。北朝鮮の工作員2名がゴムボートで侵入して逮捕されたのだ。
北朝鮮による拉致事件が今日ほど有名になる以前より、日本海沿岸の人々は度重なる侵犯事件に「行方不明者は北朝鮮の仕業でないか?」と疑っていたが、長い間国はこの問題を放置してきた。横田めぐみさんは事件から30年たった今でも帰って来ない。こんな事が許されていいのだろうか?
しかし、北朝鮮に融和的な政治家「元YKK」の加藤紘一議員が当地の選出である事を考える時、非常に複雑な気分になる。


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