デイサービスにとって「お出かけ行事」は重要なプログラムの一つだ。
ただ「外へ連れて行けば利用者さんが喜ぶ」という様な単純なものではなく、介護保険制度上も専門的な位置付けが必要とされている。
つまりそのプログラムを行うことによって何らかの「効果」がなければならないという事だ。
介護保険制度の財源の半分は税金が投入されている為、保険料を負担する人のみならず広く国民全体に納得できる利用形態でなければいけないという事だ。
時々「利用者さんが喜ぶから」というだけの理由付けで個人的な要望に応える様なサービスを実施しているデイサービスがある。
白うさぎとしてはこういった風潮には賛成できない。「介護のプロ」として単なる「思いつき」や「結果オーライ」的な事をしていては結果的に自らの仕事の質を落とす事になるからだ。
だから白うさぎは「位置付け」にこだわる。
「それを行うのにどの様な意義があるのか」にこだわっている。
今後「おたっしゃガールズ」の子らが自分達でデイの行事を企画するのにも他人に対してきちんと説明できる様になってもらいたいからだ。
屋外へ出る事の「効果」とは、
外へ出る事によって雰囲気も変わり、気分的にも高揚するだけでなく、バリアフリー空間でない場所で歩いたりする事によって、周囲や環境への注意も必要となってくるし、適度な緊張感を持ってリハビリできる。結果、平地でリハビリするよりも高い経験値が得られる、という訳だ。
「お出かけ」した後の午後など、本当に利用者さんの疲労感が感じ取れる。でも心地よい疲労ならいいのではないか?
さて、俗に「湖北しぐれ」「伊香しぐれ」と言われる様に、冬場の湖北地方の天候は非常に変わりやすい。
なので「お出かけ行事」の企画には本当に神経を使う。昨年は結局天候不順により「紅葉狩り」はお流れになった。
秋~冬にかけてのお出かけは、天候もそうだが行き先にも悩む。
紅葉のきれいなところ(湖北地方でいったら木ノ本町古橋の「鶏足寺」)は車で行けない所が多い。
しかし今年は「小谷城跡」という穴場を見つけ、しかも車内からも十分眺められる事から、「少雨決行、この場合ドライブのみ」と決め、今秋の木曜日からスタートした。
あいにく金曜日は雨模様であった為、残念ながらドライブのみになってしまったが、木曜日と土曜日については晴れ間を縫って外へ出て記念撮影や小谷山からの展望を楽しんでいただけた。
その名も「望笙峠」本丸跡地までの途中にある展望台。
晴れていれば竹生島がよく見える。
白うさぎの自宅も甍の波の中に呑み込まれているハズ…。
「あれはどこの村かな~」結構いい眺めです。
こんな看板が…(「おたっしゃガールズ・美女三人衆」が記念撮影していた)
本丸跡に続く坂道。けっこうきれいである。
金吾丸へと続く坂道前から眺めた竹生島。
お昼からの作業は拾ってきた落ち葉で「押し花づくり」⇒これは次回の活動で使用するよ。
認知症予防の為にも、お出かけ行事の楽しかった思い出を単発のその場限りのものとはせず、次回以降の活動にリンクさせて思い起こしてもらう、というプロセスが重要である。
これは先月行った焼き芋の様子。煙と格闘しながら火をおこす白うさぎ。
寄付いただいた立派な薩摩芋をみんなで洗い、新聞紙とアルミホイルで包む作業をしてもらい、おやつに焼きあがりを食べていただいた。
余程自分達も作る過程に参加した焼き芋がおいしかったとみえ、つい先日も「所長さんは大変やったけど、また焼き芋食べさせて~な。」とリクエストされた。
そんな声を聞いてとてもうれしくなってしまう白うさぎであった