「就活戦線異常あり!?」の巻

白うさぎ

2009年09月22日 12:00

「就職活動」略して「就活」

そういえば昔、織田裕二主演の「就職戦線異状なし」という映画もあった。
以前ブログにも書いたが、白うさぎの上の学年は「空前の売り手市場」と言われていて、結構おいしい目にあった方々もおられたのに、白うさぎの学年になったとたんにバブルがはじけて「就職氷河期」なんて落差を味わった。

ただ白うさぎは「就職活動」なるものをした経験がない。
元々卒業後の行き先が決まっていたからだが、それがこじれにこじれて一転、卒業後は「無職・家事手伝い」になってしまったのだから人生どうなるかわからない
それでも非常勤講師をしながら当時流行ったドラマにもあった「高校教師」を目指そうと思っていたところ、さらに人生が転がって全然畑違いの「介護福祉業界」へ飛びこむ事になってしまった次第。
それもまさか「3年の腰掛け」で入ったはずの仕事が、今では「天職」の様になるなんて23歳の当時は想像もしなかった

白うさぎの大学は残念ながら、「関関同立」や「龍近甲産」よりも序列的に「三流」的な位置付けでしかなかったので、「就活」でも「一流」と言われる企業では門前払いを食らった事も数多いと聞く。
その中でみんな必死で「就活」していたと思う。


そんなある日、こんな話を聞いた。

森永製菓の採用試験を受けに行った時の事、

面接試験で試験官に
「当社のコマーシャルソングを歌って下さい。」
と言われた受験者。
緊張しながらも
「チョッコレ~ト♪ チョッコレ~ト♪ チョコレートは… あっ!?」
その受験者が落ちたのは言うまでもない…。

別の人に聞いた話では、「チョコレートは…モリナガ…♪」と、苦し紛れに歌ったという話もある。

「実話」として学生達の間にまことしやかに流行った話だが、不思議なもので、
「じゃあ、森永製菓のCMソングって何だった?」と聞かれても即答できない者が多かった。
白うさぎも「ピポピポ♪」というメロディに合わせて天使が振り向くあれしか思い浮かばなかった。
多分この話の面白さは、そんな盲点をついたものなのだろう。


就職試験にまつわる「都市伝説」としては、「GNP」に関する話がある。

日産自動車の採用面接で、
「GNPの意味は?」と聞かれ、
わからないのでとっさに
「がんばれ 日産 パルサー」
と答えたら受かったという話。

今はほとんど使われなくなった指標「GNP(Gross National Product:国民総生産)」だが、それを「G(がんばれ)N(日産)P(パルサー=日産の販売する車の名前)」と、とっさの機転で言い換えて切り抜けた学生は、その瞬発力を買われたのだろう。
実話かどうか不明だが、単なる笑い話ではなく、「就職活動」には、「知識」だけでなく「危機における人間力」みたいなものを試されるという事の示唆だろう。


他に「着陸許可」というものもある。

日航や全日空の採用試験を受験した者の話として語られるものである。

面接室に入った瞬間、両手を広げて
「キーン キーン」
と飛行機が飛ぶ仕草をしながら、
「管制塔、管制塔、着陸許可お願いします」
と言ったところ、
「着陸許可はありません。速やかに退去して下さい」
と言われ落ちたという。

反対に受かったという結末の話もあるそうだ。


昨今不景気による「内定切り」が問題になり、今年の就職戦線も低調だと今朝の新聞に載っていた。
白うさぎの頃は仕事さえ選ばなければ、まだ正社員として働けた時代だったが、今や「正社員」になれるかどうかで人生が変わってくる訳で、白うさぎの頃よりか「就活」の重要性は高まっている。

人生を左右する一大イベントなだけに、様々な思いが交錯する「就活」
そこには悲喜こもごもなドラマがあり、しかも長い人生の中で必ずしも「受かった」「落ちた」というその瞬間だけでは計り知れないドラマが先に待ち受けている。まさに「人間万事塞翁が馬」である。
だからこそ就活にまつわる「都市伝説」も普遍性をもって、これからも語られていくに違いない。


しかし、相も変わらず「介護福祉業界」は低調である。
「派遣切り」にあった人や、不景気で夫の収入が減った主婦なんかの募集はあるが、肝心の若者の募集が少ない。
若者がもっと集まってくれる様な魅力的な業界になって欲しいが…。

しかし専門学校や短大などで資格を取得してくる学生の質も明らかに変わってきている。
「知識」とか「技術」以前に「コミュニケーション能力」が欠けた子のなんと多い事か…。
以前採用した子も、3ヶ月経ってようやく「挨拶」がまともにできる様になった…というレベルで到底戦力にならなかった。とても「長い目で見る」とかいう状態ではない。これでは何の為の国家資格なのか?と言いたくなる。

全く「ジョーク」にもならない話で、ここでは「事実」の方が「都市伝説」を凌駕している、はぁ~


一部「ピアスの白い糸」池田香代子・大島広志・高津美保子・常光徹・渡辺節子編著(白水社)を参考にさせていただいた。


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