飛び出し坊や
白うさぎの隠れ趣味に「飛び出し坊や」探しがある。
滋賀県民の皆さんはよーくご存知だと思うが、ここで一応「飛び出し坊や」の定義を述べる。
『飛び出し坊や(とびだしぼうや)とは、主に児童への交通安全の呼びかけのために、通学路などに設置されている看板のことである。なお、正式な名称は存在せず、「飛び出し小僧」とも呼ばれる。』
出典:フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」
「飛び出し坊や研究」の第一人者は、みうらじゅん氏だが、氏によれば、この滋賀県は「飛び出し坊や」の多発地帯だということだ。そもそも「飛び出し坊や」は関西圏を中心に広く分布しているらしいが、その数が滋賀県はダントツに多い(ようだ…正確な統計に基づいていないので)。もしかしたら滋賀県は発祥の地かもしれない?(実際のところどこが発祥かは明らかになっていない。)
さて、この研究何が面白いかと言えば、その数もさることながら、バリエーションの豊富さが挙げられよう。
その多くが手作りによるもので、形の変化によって伝播の過程が垣間見えたりして興味深い。
一般的に物事は「噂話」などでもそうだが、伝わっていく過程で省略されたり、尾ひれが付いていったりするものである。
「飛び出し坊や」も実はプロトタイプ(原型)が存在し、複数の手により模写される内に段々その姿が変化していき、さらに地域ごとに独自のアレンジが加えられたりして現在に至るのではないか?という仮説が成立する。
白うさぎもみうらじゅん氏にインスパイアされたという訳でもないのだが、根っからのフィールドワーク好きなもので、実際に注意して見ていくと確かに様々な「飛び出し坊や」が散見され興味深い。
形が不揃いな証拠として「小学校の頃、みんなで作った」という証言が得られたり、甲賀市内には忍者バージョンの「飛び出し坊や」が存在したり、「飛び出し坊や」といえば基本的には男の子なのだが、まれに女の子バージョンも存在するなどなど。
そして滋賀県民にとってはなじみ深い存在であるこの「飛び出し坊や」も、実は他県の者にとっては意外とマイナーな存在だったりする事実
白うさぎの妹は奈良県に住んでいるが、みうらじゅんの本を読んで、「滋賀は“飛び出し坊や”のメッカ」だと知り、実際に見てとても感激していた
滋賀県を出るとそれ程「飛び出し坊や」の数は激減するのだ。この話を滋賀県民にすると「うそっどこにでもあるもんじゃないの」と一様に驚いていた。
この「飛び出し坊や」も最近はホームセンターなどで売られているカワイイもののこれといった特徴のないものに取って代わられだしている。これは一大事である
この失われゆく手作りの「飛び出し坊や」の姿をちょくちょくアップしていきたい。
図1:米原市下丹生にて採取。(帽子の「S」は醒井小学校の「S」か?黄色い帽子・赤いシャツ・青いズボンという三色の取り合わせは「飛び出し坊や」によく見られる類型である。帽子の形が微妙…野球帽にも見えるが…)
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