「旅の友」の巻

白うさぎ

2009年11月23日 23:39

小説に「ショート・ショート」というジャンルがある。

白うさぎは昔から読書家だったが、最近読むのはノンフィクションものが多く、小説とかはほとんど読まなくなってしまった。
ただ大沢在昌の「新宿鮫シリーズ」は大ファンでずっと揃えている。
新宿警察署生活安全課の刑事である鮫島警部、通称「鮫」の活躍を描いた作品である。
人気ドラマ「踊る大捜査線」に見られる様なキャリア、ノンキャリア警官が織り成す警察内部のリアルな描写や、密造銃、麻薬、盗品、公安捜査、外国人犯罪といった普通の刑事ものであまり扱われないテーマなのも、白うさぎ好み。
またヒロインとして登場するロックバンド「フーズ・ハニイ」のヴォーカル・晶もお気に入りのキャラクターだが、恋人である鮫島との関係の行方が気になる…。

あれあれ〜、話が大きく脱線してしまった。
「ショート・ショート」といえば星新一だろう。
白うさぎは中学校の同級生に勧められて以来ファンになってしまったが、別に長い文章を読むのが嫌いだから好きになったのではない。短い文章なのに、先が読めない奇想天外なストーリー構成がとにかく素晴らしいからだ。
ワンパターンな表現の中に、どこにでもあるありふれた光景をイメージさせながらも、ふとしたきっかけでそれが一変するという場面展開の持っていき方はそれこそ「あの手この手」とよく考えつくなぁ〜と感心させられる。
最後になって「あっ」と言わされる事も数知れず、逆に「ニヤリ」とさせられる事も…。
『未来いそっぷ』という短編集は白うさぎが中学校を卒業して親元を離れ、奈良県へ行く道中、村上駅のキオスクで買った思い出の本だ。
この本を見ると、新しい生活への不安と必死に戦いながら満員の特急「白鳥」で読んだあの時を思い出す。
まさに文庫本は「旅の友」である。

実は今、急行「きたぐに」に揺られている最中だ。
父がまた入院し、親子で帰省したものの、白うさぎは職場も心配なので一旦滋賀へ戻るところ。
そして手元には例によって星新一が…。


夜の「新潟」~115系


急行「きたぐに」今回はB6編成



余談…
長い…といえば高村薫!
「マークスの山」に始まる合田刑事シリーズはホント読むのに苦労した。
「照柿」は何度となく中断し、「レディ・ジョーカー」なんかは一度は挫折した。
そして結局読了しても何となく後味の悪さが残る作品だったなぁ…。
だって…いや、ネタばれになるので言わないでおこう。


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